金縛りとは

金縛りとは、寝ていたり、うとうとしているときに突然体が動かせなくなり、場合によっては奇妙な音が聞こえたり恐ろしいものが見えたりする睡眠障害です。
約人口の半分が人生に1度は金縛りにあうと言われています。

金縛りにあっている最中は、目の動きと、呼吸をするための肺の動き以外は体を動かすことができなくなります。(たまに、手足の指先だけ動かせることがあります。)

これまで金縛りの最中に宇宙人によって誘拐されたり、幽霊を目撃したなど恐ろしい報告が世界中に多数記録されています。

毎日のように金縛りにあう人もいれば、一生あわない人もいます。
金縛りは数秒間から数分間続くまのまであります。
必ずしも邪悪な幻覚を見るというわけではありませんが、「怖い」と感じていると非常に見やすくなります。

特によくある例は、魔女、幽霊、人影、宇宙人、天使、妖精、アニメのキャラクターなどです。

金縛りは、睡眠と覚醒の狭間で発生し、自分が動けないということに気がつくとショックを受けて恐怖心を抱いた結果、悪夢的な幻覚を見やすくなります。

金縛りはなぜ起きるのか

皆さんが毎晩寝ている間に体が動いてしまわないようになる仕組みを医学的にはREMアトニアと言います。

これは基本的な睡眠の仕組みの一部で、眠りにつくと脳と筋肉痛を繋ぐ電線が切れ、安全に眠れる状態になります。
そのおかげで、例えば夢の中で走ったとしても現実世界で体が走らないようになります。

金縛りは、意識だけが起きていて、体は眠ってしまった状態です。
体は寝ているので、動かすことができません。
でも意識だけは起きているので、自分が置かれた状況にパニックを起こし、その状況を脳が論理的に説明できず、悪夢のような理由を自動的に作り上げます。興味深いことに、この悪夢は国の文化によって内容が様々変わります。

金縛りは決して珍しい現象ではなく、世界中の人口の半分が一生に一度は経験するものです。

ストレスを感じていたり、仕事などの影響で生活リズムが不安定だったり、過眠症であったり、睡眠遮断や時差ボケなどの、睡眠障害があると金縛りにあいやすくなります。

また、明晰夢を見るためのテクニックを実践している人は金縛りにかかりやすいです。もしそうであればポジティブに捉えるべきです。なぜなら、上手くコントロールすれば金縛りから明晰夢や体外離脱に繋げられるからです。

ただの夢なら、なぜこんなにもリアルなのか

金縛りの最中に体験することは、半分本物です。これは脳の奇怪なトリックによって現実と夢がごちゃ混ぜになっているのです。

例えばベッドに向かってくるように聞こえる足音は、実は大量のアドレナリンが放出され加速している自分の心拍音を、脳が歪ませた結果だと考えられています。

また、幽霊の吐息が耳元で聞こえるのは、パニック状態に陥っているあなた自身の息の音だったりします。

ですが、多くの人が金縛り中の体験を実物していて加害的だと信じるのは、本人が感じる息苦しさが原因です。この息苦しさは、現実ではなく架空の感覚です。

生まれつき金縛りが多い人にとっては信じ難いことです。

多くの人は、金縛りの体験を本当に霊的な現象だと信じていて、それが科学的に自然な現象だということを知ってからも、自分の体験はやはり悪魔の仕業だと信じる人もいるのです。

他国での金縛り

金縛りは決して新しい存在ではなく、何百年、何千年も前から語り継がれています。

日本では「金縛り」と呼ばれていますが、ニューファンドランドでは、「夜に訪れる鬼婆」と呼ばれ、中国では「幽霊の圧力」と言われています。
世界中の画家達も金縛りの恐怖体験を描いています。

ヨハン・ハインリヒ・フュースリーの「悪夢」
nightmare

アメリカでは、UFOが流行り出した直後から宇宙人による誘拐を金縛りの最中に体験したと報告がされ始めました。

メキシコでは10代の子供の90%以上が「死体が自分の上に這い上がる」というフレーズにたいして金縛りのことだと理解します。

アフリカでは、「悪魔の騎乗」と言われていて、人間が寝ている間に悪魔が人間を犯しにくると考えられています。

これらの事実から、金縛りは人類共通の現象であり、目撃される幻覚は本人の考えによって変形するということがわかります。

金縛りを防ぐ方法

科学者たちは常に金縛りについて新たな発見を重ねています。

中には生まれつき睡眠障害にかかりやすい人がいて、そういう人は睡眠サイクルを狂わせるような物(シフト制の仕事や、過労、時差ボケなど)をすべて避けるべきです。

最近初めて金縛りにあうようになったのであれば、ほとんどの場合は自然に金縛りにかからなくなっていくのでご安心ください。

長期に渡って金縛りに頻繁にかかりつづけるという人はほんの一握りです。
そういう場合は睡眠に影響を与えている要因を見つけ、それを改善すると良いでしょう。

金縛りを解く方法

金縛りの程度にもよりますが、ほとんどの人は何か一つのタスクに集中すれば恐怖心を抑えることができます。金縛りを解くことに集中するのも一つの手です。

これから金縛りを解くための簡単なステップを紹介します。

1.まず落ち着いて、金縛りに体を馴染ませます。無理に抵抗するとパニックを起こして怖い幻覚を見やすくなります。

2.そっと指先とつま先を揺さぶります。ほんの僅かな動作でも、いずれ脳に身体が起きていることを伝え、金縛りが解けます。

3.手足の先を揺さぶるのと同時に、瞬きを頻繁にしながら目をグルグル動かします。これも、身体が起きてることを脳にいち早く伝えることが目的です。

4.唇や顔の筋肉を動かそうとします。

5.もし息苦しさを感じるなら、自分の意識が寝ている間はその呼吸で十分ゆっくり眠れていたとい事実を思い出してください。深く息を吸うことに集中し、焦りが呼吸を乗っ取らないように気をつけましょう。

6.頭の中をポジティブに保ちましょう。
落ち着くシーンを思い浮かべてください。ビーチや、天気のいい日など。頭の中で歌を歌うと瞬時にポジティブなマインドに切り替えられるという人もいます。
金縛りが解けるまでこのような思考を繰り返しましょう。
ポジティブな思考は数秒でまたネガティブに乗っ取られたりして、逆に悪循環のように感じることもあるかもしれませんが、とにかく心を強くして、僅かな動作を続けましょう。

脳に十分な信号が送られれば、REMアトニアが解除され、身体が動かせる状態に戻り、幻覚も消えます。