体外離脱

体外離脱とは言葉の通り、自分の身体から中の自分が離脱することを言います。
その感覚はとても鮮明で、時には身体から遠く離れたところまでいってしまうことさえできるという現象です。
多くの睡眠研究者は、体外離脱は明晰夢の一種だと考えています。

体外離脱が起こりやすいタイミングとしては、
・寝ている時
・瞑想している時
・WILDテクニックを実践して明晰夢を見ようとしているとき
等があげられます。

10人に1人は人生で一度は体外離脱を経験すると言われおり、中には何度も頻繁に体験する人もいます。
実は体外離脱を引き起こすテクニックはたくさんあるのですが、このページの後半で一つだけ紹介しようと思います。

体外離脱と明晰夢の関係性

体外離脱は科学的にみて明晰夢だという可能性が非常に高いと言われています。
そのため、体外離脱をするためのテクニックと明晰夢を見るためのテクニックは全く同じといえるほど酷似しています。

体外離脱/明晰夢が起こるのは、ベッドなどに横になっているときです。(特に眠りから目覚めたばかりの状態だと起こりやすいです)
横になっている状態で身体が眠りにつくと、金縛りの作用で身体の動きにロックがかかります。
体外離脱ができるのは通常の眠りとは違って、身体は眠っても意識だけは起きたままの状態です。
意識だけが起きていると、身体の中に閉じ込められているような不思議な感覚になり、そこから抜け出したいという衝動に駆られます。

この時点で、本人は既に夢を見ています。
でも、金縛りで身体が動かないことと、意識があまりにはっきりしていることから、自分はただ横になっているだけだと思い込んでしまうのです。
周囲の環境は寝る直前のものと全く同じに見えるかもしれません。場合によっては窓が一つ多いなど微かな違いが見られることもあります。
この時点で意識はハッキリしているまま夢をみていることになるので、これを理論上、明晰夢だということができます。

初めて経験する人にとっては、夢だとは到底思えないほど鮮明かもしれません。
明晰夢をよく見る人はそのリアルさを理解できますが、そうでない人は体外離脱が本当にただの夢だということを受け入れがたいものでしょう。

身体からの離脱をするには、想像力を使って、身体から浮き上がるか、寝返りをうつように意識します。
この際、金縛りの影響で身体がすごく重く感じるかもしれません。
また、幽霊や宇宙人や奇妙な動物が部屋に入って来て体外離脱を手伝ったり妨げたりすることも珍しくありません。

体外離脱をするときに、身体から浮き上がったり寝返ったりする以外に、別の場所にテレポートすることも可能です。
単純に目的地をビジュアライズするとそこに飛んでいくことができます。
(当然ですが、実際の世界でテレポートしているわけではなく自分の夢の中で移動しているだけです)

WILDテクニックを実践すれば、身体から抜け出す部分をスキップして直接行きたい夢のシーンに移ることもできます。
詳しくはWILDテクニックのページをご覧ください。

臨死体験

頭部外傷や大がかりな手術をきっかけとして体外離脱を体験するケースもあります。
この臨死体験は、通常の体外離脱に加えて「自分は死ぬ」という考えに影響され、独特な展開が起こる傾向があります。
よくあるケースとしては、身体から魂(自分)が離脱して、自分が上に向かって浮いていき、光のトンネルのようなものを上がっていくというパターンです。
このとき、完全に平和な気持ちになる人もいれば、逆に恐怖を感じたりするのは人もいるようです。

臨死体験

実は、このような経験に対して「臨死体験」という言葉は不適切なのです。
なぜなら、実際に死にかかわるような状況でなくとも、本人が「死にそう」と思いこんでいさえすれば発生するからです。

では臨死体験が死後の世界の予兆ではないとしたら、一体何なのでしょうか?

ある研究によると、臨死体験で体外離脱を経験している間は、本人の側頭葉が活発に働いているとのことです。
そのエリアは、電磁石を使って刺激をすると幻覚作用を起こし、なにか神々しい存在をみたり、霊のようなものをみたりすることで知られています。
人によって側頭葉への刺激の敏感度は違いますが、この実権結果により、臨死体験中に見える光景は幻覚にすぎないと言えます。

また、育った文化によっても見えるものは全然違っていて、日本人の場合は三途の川を見るケースが多いということも興味深いです。

三途の川

アストラル投射

アストラル投射とは、体外離脱にプラスして「霊」が関わっているという深遠な解釈です。
症状としては体外離脱とほぼ同じで、身体から自分が抜ける感覚と共に、世界が霊妙な雰囲気に見えたり、霊などに遭遇したり、壁等をすり抜けて好きなところにテレポートするとこができます。
でも、本人の期待値によってはアストラル投射は更に高いレベルの精神世界に入ることができます。
死後の世界を信じている人は、天使や神、または過去に死んだ人を見たという報告が多数あります。
更に、アストラルプレーンと呼ばれる光とエネルギーによって成形された架空世界のレイヤーを旅することができるとも言われています。

アストラル投射

このような微妙な違いがありつつも、アストラル投射、体外離脱、明晰夢にはキーとなる共通点があります。
それは、本人の気持ちと考えがその体験を支配するということです。
例えば、あなたの友達の家を想像したとしたら、その瞬時にそこに移動することができます。
そしてベッドに戻った自分を想像するとすぐに戻ることができるのです。

体外離脱のやり方

毎晩夢を見ている身として、あなたは既に何千回も体外離脱を経験しています。
ただそれを覚えていないだけです。
考えてみれば、夢を見ているときは(明晰夢でなくとも)ベッドに横たわっている自分の身体とは関係なく別世界で自分は行動をしているわけです。
理屈臭い話に感じるかもしれませんが、実際に体外離脱は脳内で起動している夢の世界なので同じことです。

じゃあ普通の夢と体外離脱の違いはなんなのかというと、体験中に意識がはっきりとしていて、その体験が自分の体を抜け出すシーンで始まるというところです。
つまり第一条件として、その体験が明晰である必要があります。
明晰であるということは、自己意識があり、五感がすべて起きているときと同じくらい正常に機能しているということです。
なので、非常にリアルに感じます。
まず明晰夢を見ることができれば、意図的に体外離脱の夢にすることも可能です。

普通の夢と体外離脱の二つ目の違いは、ベッドによこたわっている自分の身体から抜け出すシーンです。
普通の夢は大体、自分が寝ている場所とは別の場所で始まります。
でも体外離脱では自分が寝付いた場所とその体勢で始まります。

では体外離脱をするための具体的な方法を紹介します。

3つのステップで体外離脱

ステップ1 リラックス

頭と体をリラックスさせます。
ベストなタイミングは、5〜7時間眠った直後の、まだ疲れていて二度寝をすればまた深い眠りにつけそうなときです。
仰向けか、心地よい体勢になります。
そしてゆっくりと息をしながら、目を閉じます。
できるだけ何も考えないようにしてただ時間が過ぎてゆくのを見守りましょう。
あなたの瞑想ルーティンを始めます。
初心者はイヤホンをして誘導瞑想のCDなどをを聞くと余計な考えであたまがいっぱいにならずに集中してリラックスすることができます。
全身をリラックスさせていきましょう。足のつま先から始め、各身体のパーツの筋肉を一度締めてから緩めていきます。
身体の部位がひとつつづ布団の中に沈んでいくように想像してください。逆に宙に浮くようにでも、透明になるように想像するのでも大丈夫です。
最後に顔をリラックスさせて、もっとも力が入っているであろうアゴと首もリラックスさせます。
これで5〜10分すればウトウトして、身体の感覚は薄れてくるはずです。
腕が実際にある位置とは違うところにあるような感覚や、手足がちょっと浮いてる感覚を覚えるかもしれません。そうなったとしたら、ステップ1は正しくできている証拠です。

ステップ2 意識をシフトする

身体の感覚が薄れてきたら、意識をそこではなくあなたの前にある暗闇に向けてください。
遠くに星や惑星をビジュアライズしてもいいですし、ヒプナゴギア(眠りにつく直前に見えるぐるぐる回る光や幾何学模様)に身を任せてもいいです。
どんどんそっちの世界に入っていきつつも、自分の脳が見ているものを把握するように保ちましょう。こうすることは「意識は起きたまま眠る」ことになります。
もう眠ったというふうにあなたの身体を騙すのです。
人間と脳と身体は特殊な通信方法をとっていて、ここであなたはその抜け穴を使っています。
身体はまったく動かさないようにして、どこにも力を入れずにリラックスした状態を保ちます。(どうしてと痒いところがでてきたら掻いてまた元の状態に戻りましょう)
この時点で金縛りの効果で、鉛が乗っかっているように感じ始めるかもしれません。
金縛りまでいくと体外離脱離脱まであと少しなので、歓迎しましょう。
人によっては、意識が完全に身体から抜けていて、全く金縛りの効果を実感しない人もいます。

更に深く意識が沈めていくと、突然大きな振動音や耳鳴りのような音に驚かせられるかもしれません。
これも体外離脱までの過程のフェーズのうちの一つです。
イメージとしてはラジオの周波数の狭間で発生するノイズのような感じです。
このとき脳はあなたが起きているのか確認しようとしているので、ここは本能に逆らって音を無視しましょう。
(初めての数回はあまりにも大きな音で耳が潰れそうな気がして無視することができないかもしれませんが、慣れると結局なにも悪いことは起きないということに気づけます)

ステップ3 身体から抜け出す

音と振動が終わると、あなたは夢の世界に解き放たれます。
その時点で、腕か足を一本動かせる状態になっているかもしれません。また、既に身体から離脱して宙に浮いていたり、はたまたベッドから転げ落ちて床に寝ている状態だということもあります。
あなたの身体はちゃんとベッドに寝ているので心配は要りません。
普段は味わえない感覚なので、テンションがあがって起きてしまわないように気をつけましょう。
もし身体の中に閉じ込められて動けない場合は、自分が今明晰夢を見ているという事実を思い出しましょう。明晰夢の中では、あなたの考えがすべてを支配しているので、自分が信じさえすれば身体から抜け出せるのだということを思い出すのです。

具体的には下記のような方法で金縛りにあっている身体を抜け出すことができます。

浮かび出る

視点が数十センチ上にあがる感じをビジュアライズします。

体よりもしたに沈む

あなたの体がどんどん沈んで、ベッドをすり抜けて床に着くようにビジュアライズします。

転がる

寝返りをうつように身体から抜け出すところを想像します。

テレポート

別の場所にいる感覚をビジュアライズします。

もしまだ目が見えない状態であれば、身体を抜け出すと同時に目が見えるようになってくるはずです。
もしぼやけているようなら、明晰さを求めればいいだけのことです。声に出して「今すぐ明晰になれ!」と唱えるのも効果的です。